「米国における日本語教育を巡る政府の動向について」

Speakers:
Taichi Kaneshiro, Education Counsellor at the Embassy of Japan in Washington, DC / 金城太一参事官、在アメリカ合衆国日本国大使館 /
Tomoko Marshall, Distinguished Lecturer at the University of Virginia and Past President of MAATJ / マーシャルともこ、バージニア大学、MAATJ2022-2023年度会長

Facilitator:
Yoshiko Saito-Abbott, AATJ Professional Development Director / 齋藤-アボット佳子, カリフォルニア州立大学モントレイベイ校

Thanks to those who joined the AATJ Webinar. We had over 180 participants who engaged in a lively discussion of issues affecting Japanese language education in the United States and trends that affect teachers.

The slides from the webinar are available: AATJ Webinar Slides

A recording of the session is available: View Recording

While we received numerous questions and comments in the chat; we apologize for not being able to address all of them due to time constraints. Below are selected questions and comments for your reference.

  • MAATJのご調査では、日本文学・日本研究専門で日本語も大学で教えている方も含まれているのでしょうか。日本語教師を雇うのではなく、日本文学と日本語が教えることができる人を探している大学が結構あるように思います。
  • アンケートでフルタイムの先生方とパートの先生方の割合がわかりますでしょうか。最近はフルタイム1名というよりパートの先生を複数雇用するという傾向が多いのではないかと思います。
  • New York State の新しい動きを紹介させてください。K-12の教師不足はこちらでも深刻なのですが、マスターを持って大学での教育経験がある方々が比較的簡単にK-12の教員免許を取れるようになりました(最近の動きです)。ご興味のある方、ご連絡ください。
  • J1ビザを保持し、米国で日本語補助教員として働く場合、滞在費、給与、生活費などは日本国政府が支援するのですか?
  • FYI: 2年前の資料ですが、米国北東部(ニューイングランド)地区においても、教師高齢化と退職に伴い、日本語プログラムが閉鎖されつつあります。その予算は他のアジア言語のプログラムの新設などあてられているそうです。Chart of New England teachers
  • 米国内の教師不足に関して、J1ビザのような動きはとてもありがたいのですが、米国にある程度の期間、学校などで働く時にビザの問題が最も大きな壁になると思うのですが、スポンサー(学校側や大学側)に頼るだけでなく、別の方法(学校機関以外が身元保証をするようなサポート、など)でビザ取得のサポートをしてもらえるような仕組みはないのでしょうか?
  • F1ビザ関係ですが、OPT は現在 STEM ではない分野は12ヶ月となっており、この条件が多くの大学院を卒業した人たちの就職に影響を与えているように感じられます。J-1ビザで3年に延長する協議をしていただけたように、こちらも延長の可能性は将来的にありますでしょうか。
  • 若手の先生を増やすための取り組み、ありがたいです。ありがとうございます。ただ、Japan FoundationさんからいただけるGrantも少なくなっていて、今まで毎年もらえていたGrantが今年はいただけず、現役で頑張っている教師の負担が増えている状態です。各教師会や各学校で使えるGrantにも十分なお金を回していただけると助かります。多くの学習者に還元されます。
  • 日本政府のご支援に感謝申し上げます。今後の日米の教育交流の動きとして、日本語学習者の裾野を広げるために、小中学校の日本語プログラムへの支援の拡大について検討の余地・可能性はあるのでしょうか。
  • STEM学生の日本語学習に力が入れられていますが、現況の日本語教師は人文にいるケースが多いので、STEMとの連携をどうするかはこれからの課題かと思います。
  • Mextですが、日本で化学の研究をしたい学生がいるのですが、申し込み用紙にどれだけ具体的に専門的に化学の研究について説明したほうがいいのか聞かれました。もしよければ教えていただきたいのですが。
  • MEXTスカラーシップは日本国籍を有する学生には無効ですか?
  • J1ビザに関連してのコメントですが、J1ビザは政府関連機関等から資金が出ている場合、他のビザへの切り替え前に2year ruleとして本国に帰国し2年間滞在する必要があります。それがJ1ビザ取得者がプログラム終了後にアメリカに残って働く上での障害になっていると感じます。J1ビザが3年まで延長できるようになるというのはありがたいと思いますが、アメリカにおける日本語教師を増やすという点でいうと、少し課題が残ると思います。Saito先生がおっしゃるような他のビザ取得の可能性が増えるとよいと感じました。
  • 日本での日本語教師育成強化、とても素晴らしいと思います。ありがとうございます。一方で米国在住の日本語教師希望者への、経過の簡素化への対策は何かございますか?又、現教師に対する所属ヂストリクトへの影響強化方法は、何かございますか?
  • MEXT Scholarshipの Eligibility のひとつとして、”Be enrolled as an undergraduate student in a university outside of Japan in a major related to Japanese language or culture”とありますが、”Minor” related to Japan/Japanese Studiesに広げることは可能でしょうか。
  • 米国で日本語・日本学を学んでいる学生(学部生)にとって、大きな Encouragement になります。
  • 学生自体の興味はあっても(1)制度的に Major を作るのが困難な時があるのと(2)学部として留学した学生が、その後、より日本学に関した修士号や博士号を目指す、または日本関連の Professionals になるのによいステップになると思います。
  • 補助教員として来ていただいた後の、アメリカ、または、日本での身の振り方の土壌は整っているでしょうか。日本に戻っても就職が難しいと魅力的ではないかも。日本語教育の労働環境を向上させるのは文科省でしょうか。
  • 長期間的に考えてみますと、やはり日本から来米なさる教員への依存に対して不安を感じております。国内で(つまりアメリカ人の間で)日本語教師を育てようとする方針・動きについて少し教えていただければと思っております。
  • 現在、グリーンカードのリニューアルで大変苦労している教師がいます。領事館からのサパポートはしていただけますが?
  • 日本政府が日本語教育にサポートをしてくださるのは有り難いことです。2つ質問とコメントがあります。1)この日本語指導助手が現在パートタイムで教えてくださっている先生方を結果的には置き換えることにならないか、少し懸念があります。2)日本語教育をサポートするためには、コンテントを教えるテニアトラックの助教授などが退職された時にそのポジションが消滅しないようにサポートする必要があるのではないかと思いますが、その辺のサポートは考慮されているのでしょうか。長期的に日本語プログラムが続いていくためにはコンテントのクラスを教えられる先生がいて、学生が副専攻、専攻ができるような環境を作っていくようことが必要なのではないかと思います。
  • 私も先生のご意見に賛同します。大学の言語プログラムの大きな問題は、Tenure のポジションが退職と共に学部に戻らないことです。
  • 米国人の学生が教師になりたいと思った場合でも、例えばPractice trainingの間にかかるコストが払えず、教師を目指すことをあきらめた例なども聞いたことがあります。またなりたい学生の中にも言語力が足りないというケースも聞いたこともありますので、国内の言語教育、教師教育支援は非常に重要な問題だと思います。
  • 先ほどお話しいただいたとおり、教師育成へのパイプラインにどういうものがあるのか、そしてそのパイプラインにどういう障壁があるのか考える必要があると思います。例えば、1)大学で教える教師の育成には、アメリカの大学での修士、博士号が必要で、特に日本からの大学院への応募の拡大が必要だとおもいます。2)K-12で教えるためには教員免許が必要ですが、そのためには教育学部との連携が大切だと思います。3)日本からアシスタントに来ていただけるようでしたら、そのようなアシスタントの先生方を指導できるような先生がいらっしゃるプログラムを見極めることが必要なような気がします。
  • LA近郊で姉妹都市交流での日本語教員交流の拡大いついて話が挙がっています。国務省としては自治体レベルでのビザの緩和についても協力していただけるのでしょうか。
  • 先程、J-1に関する restriction のお話が出ましたが、J-1 visa 取得後の2年間自国(日本)での滞在という restriction は、正式に手続きを取れば、waiver できるはずです。私がそれを行いました。
  • そして、そのポジションはSTEMに移っています。これは、大学によるとも思いますが、STEM専攻の学生が増えているからです。なので、 言語側としては、STEMとの連携がこれから大切になっていくと思います。
  • 助手にパートで教えている先生が置きかえらるのを恐れてJLEAPの先生を迎え入れることを歓迎してしていない先生もいるのではないでしょうか。District内のポリティックは国と国との覚書ではそう簡単に変えられないとは思うのですが。
  • Mext Scholarship ですが、先日領事館の方とお話する機会がありまして、応募過程が大変なわりに実際に奨学金がもらえる人数はわずかだと伺いました。実際に何人ぐらいの学生がもらえるのか教えていただくことはできますか。またこのもらえる人数枠の拡充はありますか。
  • 人口ボーナスのランクが高い、親日的な国から、例えばフィリピンなどから、日本語教師になる事を前提とした特別枠の留学生を受け入れ、彼らの就職先が米国になるような長期的戦略をご検討されておられますか?
  • 日本の少子化傾向。日本の若者の海外に打って出る意欲の低下。日本語教師SOS。根っこが深い問題が絡む中、sustainable に米国で日本語教師を確保するためには、日米両国のみの人材に限定しないthink outside box 的なイノベーティブの考えが問われていると思います。このような考えを日本政府はご検討されておられますでしょうか。
  • 先ほど、学生数の低下と教師人材不足の問題についてですが、皆様に少しシェアさせていただきたいと思います。確かに学生数が低下しているところがありますが、わりと続々と増えていく地域もあります。近年、私が勤めているコミュニティーコレッジには、新しい日本語プログラムが設置された以来、学生数は25名から、約75名まで増えてきました。しかし、スペイン語コースを取っている学生数と比べて、かなり少ないため、残念ながら、大学側はtenureのフルタイム先生を雇うのは、そこまでまだ考えられていないようです。
  • 要望:1994年あたりからの JLEX は J-LEAP の前のプログラムでしたが、その卒業生たちが現在日本語教師として続けているという例があるので、長期的に見ると効果があると思います。できれば、JLEX のデータも入れていただけれると嬉しいです。
  • STEMを専攻している学生にとって、日本の企業でのインターンなどは魅力的なオプションだと思います。日本や日系企業でのインターンシップ(Paid)やCo-opのプログラムに参加できるような情報を一つにまとめてもらえるといいかなぁと思うのですが。そのインターンには、「日本語XX学期以上履修者した人限定!」とか日本語を学ぶことがインターン参加の条件とかしてもらえると、STEMとの共存も可能なのではないでしょうか?
  • 高校のみでしょうか:日本語レベルが上級クラスが Combine 混合クラスになる場合が多く、習いづらい生徒たちのモチベーションは低くなり、教えにくい状況を体験した教員の苦労は高くなり、対処・対策が必要です:こういったところに J-LEAP からお助けがありましたらありがたいです。
  • 米国内の教師不足に関して、J1ビザのような動きはとてもありがたいのですが、米国にある程度の期間、学校などで働く時にビザの問題が最も大きな壁になると思うのですが、スポンサー(学校側や大学側)に頼るだけでなく、別の方法(学校機関以外が身元保証をするようなサポート、など)でビザ取得のサポートをしてもらえるような仕組みはないのでしょうか?
  • 大学生から、日本のインターンシップの期間は短すぎて経験にならない、学校の規定(インターンシップに関する奨学金)に合わないという話も聞きます。企業との話になるので、難しいかと思いますが、もう少し海外のニーズにあったインターンシップを開く企業が増えると嬉しいです。また、Paidの場合、ビザの問題で海外からの学生の受け入れに二の足を踏む日本企業も多い印象を受けます。海外の大学に通っている日本国籍を持っている人のみのためポジションとかもあるようで、行きたい企業があってもビザの関係で日本でのインターンシップを諦めざるを得ない学生もいるようです。Paidインターンシップ用のビザなども検討いただけると嬉しいです。
  • 皆様、本日はありがとうございました。サンフランシスコ総領事館です。金城参事官、在外公館の教育ネットワークを作ってくださり、ありがとうございます。当館も日本語プログラム削減問題に取り組んでおりまして、様々な先生方に色々ご相談させていただいております。一つ、現場に行って感じるのは、生徒さんたちは大学入学競争の激化によって早い段階から将来について考えるようになっている傾向が強まっています。小学校中学校レベルでも日本の地方や技術や文化について幅広く知ってもらう機会が必要だと思います。今後は、金城参事官構築してくださった在外公館ネットワークの皆様と、このような傾向に合わせて、実用的スキルに焦点を当てながら言語プログラムの充実化をはかり、より多くの生徒さんが日本語をアクセスできるようになれればと思っています。
  • お世話になっております。JFNYの日本研究分野の教授 (tenure eligible)採用のための助成金ですが、新しいポジションでなく、引退する先生のラインを維持するという性質のポジションにも使えるでしょうか。うちの大学 (Northwestern, IL) は若手教授がいるので該当しないのですが、他の大学では切実な問題かもしれません。
  • I would like to bring up the trend of increase in homeschooling students in some states. There is a need for Japanese language teachers for homeschooling students as well.
  • If in-person, the family can contact a nearby university that has a Japanese department to ask for possible tutors.
  • I happen to be contacted by some homeschooling moms and there is a need for such teachers.

April 28, 2024